2024.05.16 東京海上HD 「DXビジネス」「AIビジネス」「AI知財」の3講座 ビジネスアーキテクト育成プログラムを外部提供 データサイエンティスト育成プログラムの拡充も

 東京海上ホールディングスは5月から2020年より外部提供しているデータサイエンティスト育成プログラム「Data Science Hill Climb」を拡充するとともに、新たに開発した「ビジネスアーキテクト」育成プログラムの外部提供も実施し、7月から開講する。
 両プログラムは、同社内で実務を担うデータサイエンティストが、実際の事業企画の経験やこれまでの受講者のニーズを踏まえ、最適な育成コンテンツを組み合わせて開発したもので、業界や企業規模にかかわらず参加可能であり、受講者は随時質疑応答ができる環境の中で、座学のみならず実務で抱える課題を取り上げて具体的なアウトプットを一緒に作りあげていくなど、実践的な内容となっている。
 データサイエンティスト育成プログラム「Data Science Hill Climb」では、従来の講座にLLM(注)活用講座を新たに取り入れるなど、プログラムを拡充した。また、従来は「基礎学習」「応用学習」「実践」の3講座をセットで受講する必要があり、延べ250時間を超える長期育成プログラムとして運用してきたが、受講者のニーズに応じて講座を選択して受講できるようにした。受講者のスキル習得に遅れが出ないよう、受講者が個別に講師陣と相談ができる体制を整えて伴走支援も強化している。
 「基礎学習」の講義時間は約90時間で、主なコンテンツには、AI倫理・機械学習・基礎数学・応用数学・プログラミング―がある。「応用学習」は約90時間で、統計モデリング・深層学習(+Pytorch)・LLM活用・AIプランニング―があり、「実践」は約77時間で、演習・発表―が主なコンテンツ。
 また、新設のビジネスアーキテクト育成プログラム「DX・AIビジネス企画人材育成研修」は、「DXビジネス」「AIビジネス」「AI知財」の3講座で構成され、DX・AIビジネスを推進する上での基礎的な知識から、生成AIプロンプトまで幅広く学習することができる。
 「DXビジネス」の講義時間は約17.5時間で、主なコンテンツには、DX基礎・アイディアソン・プランニング―がある。「AIビジネス」は約18.5時間で、対話型生成AI・AIジェネラリスト基礎・AIプロジェクトプランニング―がある。「AI知財」は約15.5時間で、AI知財契約・AI特許―が主なコンテンツ。AI知財講座では実際に弁護士・弁理士に相談することも可能。それぞれ2~3カ月程度の受講期間を予定しており7月から四半期ごとに開講予定。
 東京海上グループでは19年に、東京大学大学院工学系研究科の松尾豊教授監修で、AIアルゴリズム開発ができる高度専門人材を育成するプログラム「Data Science Hill Climb」を創設、これまでに同社グループの従業員100人以上が受講し、卒業生が開発したAIアルゴリズムが事業で活用される事例も出てきているという。20年には同プログラムを外部に開放し、異業種の受講生が切磋琢磨しながら相互理解を深める機会になっている。
 一方、DX・AIビジネスにおいては、データサイエンティスト等の専門人材に加えて、事業を企画・マネジメントし、組織をけん引する人材の育成も非常に重要とされており、東京海上グループでも「ビジネスアーキテクト」人材が中心となり、テクノロジー企業と連携して、国内の不動産業界および保険業界で初となる、オンラインでの投資用不動産の購入動線に火災保険の加入手続きを組み込む仕組みを実現するなど成果につながっている。これまでの「Data Science Hill Climb」の受講者から「高度な専門性だけでなく、DX・AIビジネスの全体をけん引できる人材の育成も必要」との声が寄せられていたことも踏まえ、今回新たに「ビジネスアーキテクト」育成講座を開発し、外部へ提供することにした。
 産業構造が変化する中で、企業が競争上の優位性を確保するためには、データ・デジタル技術を活用できる人材の確保が重要となる一方で、多くの企業ではそうした人材が不足しているといわれている。
 同グループでは、今後も今回提供する講座にとどまらず、データ分析・デジタル技術活用支援等を通じた、具体的な実装支援にまで事業を広げ、社会全体のデジタル活用の一層の推進を支援するとしている。
 (注)大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)のこと。膨大な「計算量」「データ量」「パラメータ数」で構築された自然言語処理モデル。

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